顎顔面矯正とは
不正咬合の背景について
このようなお子様が非常に増えてきている傾向にあります。
これは、先史時代から歴史時代、現代と、人類の「顎骨の小型化」と「歯の大きさの大型化」が同時に存在していることにあります。
近代においては、軟らかい食事が主体となり、「良く噛む」必要がなくなったため、噛むための筋肉「咀嚼筋の発育不全」がおこり、「上顎の発育不足」がおこり、「下顎の発育不足」がおこります。
さらに栄養状態は良くなったため、一本一本の「歯の大きさの大型化」が起きてきています。
顎骨の小型化と歯の大きさの大型化が同時に存在しているため、小さな顎に大きな歯は並びきらず、ぐちゃぐちゃに生えてきてしまうということが起こってくるのです。
つまり歯の生えそろうスペースが足りなくなってきているのです。
不正咬合の根本的な治療方法「顎顔面矯正」について
顎骨の小型化と歯の大きさの大型化が同時に存在しているため、小さな顎に大きな歯は並びきらず、ぐちゃぐちゃに生えてきてしまうということが起こってくるのです。
このように、「歯の健全に生えそろうスペースが足りない」=「顎骨の発育不足」の治療は、ただ単に、邪魔な歯を抜歯して、残りの歯をキレイに並べるというのでは根本的な解決にはなりません。
このような顎の発育不足には、「顎顔面矯正」という矯正治療が有効です。 顎顔面矯正は、乳歯の時期や、混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざっている状態)に行う治療です。“ハイラックス”や“ファン”、“バラエティ”といった、「上顎骨急速拡大装置(RME)」という矯正装置を使用して、上顎骨(鼻上顎複合体)の成長の力をコントロールし、立体的に、正しく健康的な成長を促し、あごの骨自体を広げ、正常な姿にもどしてあげることで、永久歯が健康に生えそろうためのスペースを作るものです。上顎骨急速拡大装置(RME)は、上顎正中口蓋縫合を離開させ、真ん中から左右に広げます。骨が広げられた部分には一時的に隙間ができますが、すぐに新たに骨ができて塞がります。
急速拡大装置の特徴と種類について
急速拡大装置の使用方法について
「急速拡大装置」といわれる固定式の装置をお口の中に装着します。装置中央部に組み込まれているネジを1日1回まわします。そうすることで、徐々にあごの骨格が広がり、やがて正常な大きさとなります。その結果として、歯並び・かみ合わせが改善していきます。
1.歯医者さんでお口の中に装置を固定します。
2.専用器具(拡大用の棒)を使ってネジ穴に差し込みます。
3.手前から奥にむかって器具を動かします。
4.奥までまわしたら器具を抜きます。
一回のネジ回しで約0.2ミリ拡大されます。